今週の新社会

次は石川さん再審開始だ
袴田さん無罪に続け

2024/11/20
狭山事件・石川一雄さんの再審決定を求めてデモ行進=11月1日、東京・千代田区内

東京で2000人が集会・デモ

    
袴田巌さんの再審無罪に続け――。狭山事件の石川一雄さんの再審を勝ち取ろうと11月1日、東京・日比谷野外音楽堂で「狭山事件の再審を求める市民集会」が開かれた。自白強要と捏造「証拠」で、24歳の石川さんが逮捕・起訴されて51年、現在3回目の再審請求を行っているが、もうすぐ86歳。「元気なうちに何としても再審開始と無罪を勝ち取ろう」と集会は熱気に包まれた。

     寺尾不当判決から50年、全国から2000人が集まった集会は、「上々颱風」の紅龍さんのプレコンサートで始まった。 

     政党挨拶では、立憲民主党の近藤昭一さんが、袴田事件無罪判決後の畝本直美検事総長の談話を強く批判、社会民主党の福島瑞穂さんは、石川一雄さんが選挙権をはく奪されていることを指摘し、再審法改正や人質司法の問題解消を求めた。れいわ新選組の櫛淵万理さんは、実効性ある差別禁止法が必要だと訴えた。 

     続いて、石川一雄、早智子夫妻が登壇。石川一雄さんは、「不撓不屈の精神で、何としても3次で勝利したい。イワちゃん(袴田巌さん)が無罪となって嬉しい」と力強く発言。早智子さんは、「石川一雄が元気なうちに再審開始、無罪判決を勝ちとれるよう支援をお願いしたい」と訴えた。 

    弁護団からは、事実調べの要求で、インクの鑑定について裁判所が検察に協力要請したことなど、三者協議の現状を報告。証拠開示や再審法の改正の必要性を強調した。

    袴田巌さんの姉、袴田ひで子さん、足利事件の菅谷利和さん、東住吉事件の青木惠子さんなど冤罪被害者から連帯アピールが続いた。その中で、袴田ひで子さんは、巌さんの選挙権が戻り投票に行ったと報告、「巌は無罪となったけれど、これからも冤罪救済のためにがんばりたい。今度は石川さんの番です」と訴えた。 

    集会アピールを確認後、東京高裁前などをデモ行進し、狭山事件は部落差別による冤罪事件であり、再審開始、検察の全証拠の開示を訴えた。袴田事件で証拠の捏造が明らかになり、狭山事件の万年筆なども同様だ。福井女子中学生殺人事件でも再審開始決定となり、再審の流れがある。 

 狭山事件から61年、石川さんの人権と自由を勝ち取ることは、市民の人権と自由を取り戻すこと。石川さんの見えない手錠を早くはずそう。