今週の新社会

暗黒時代へ
東アジアの〝緊張〟さらに
中国敵視の軍拡

2025/02/19
日米首脳が会談  共同声明

   石破茂首相は2月6日~8日にアメリカを訪問、7日(日本時間8日)にワシントンのホワイトハウスでトランプ米大統領と初めて会談、「日米関係の新たな黄金時代」をうたう「共同声明」を発表したが、中国敵視の軍拡合意は東アジアの「暗黒時代」幕開けだ。

  「声明」で日本は防衛力の抜本的強化を、米は日本への核抑止力の強化と関与を強調。さらに自衛隊と米軍の指揮・統制枠組みの向上、実戦的な訓練・演習の強化、両国の軍需産業力を強化する武器の共同生産・開発と共同維持・整備の推進を確認した。 

   また米国は、「日本の防衛予算増加に下支えされ、27年度までに日本を防衛する主たる責任を果たし、日本が27年後も抜本的に防衛力を強化することを歓迎」とした。

   更に両国は日米豪印( クアッド)、日米韓、日米豪、日米比といった協力の推進も確認。中国による「力または威圧による現状変更の試み」への反対と、国際機関への台湾の参加に対する支持を表明。北朝鮮の核及びミサイル計画の進展への懸念と対処、北朝鮮とロシアとの間の軍事協力を抑止し対処する必要性を強調し、岸田・バイデン時代に進めた戦争への準備を一段と具体化した。 

  「核抑止力」の威圧の強調、日米と比、豪、韓の軍事的同盟関係強化、27年度までに日本は「防衛の主たる責任」を果たし、それ以降も「防衛」費拡大を確認したこと、台湾の「国際機関参加」の支持などは、日本の軍拡と東アジアの緊張激化をもたらす。 

  「米国のエネルギー及び天然資源を解き放つ」などは、トランプ政権の化石燃料利用・環境破壊政策の追認であり、立憲民主党まで「共同声明」を評価しているが、野党第一党の見識を疑わざるを得ない。 

   とりわけ、中国を敵視した軍事予算の27年以降の増額合意は、東アジアを「暗黒時代」に陥らせる危険なもので、撤回・阻止の闘いが重要だ。