今週の新社会

「被団協」継いで
5月3日憲法集会 3万8千人集う

2025/05/14
集会の最後に『HEIWAの鐘』を歌うユキヒロ(後列中央)&5・3憲法集会みんなで歌う合唱隊=5月3日、東京の有明臨海防災公園


平和な暮らしへ    未来変えられる

    
今年は戦後80年・平和憲法施行から78年―、分断と対立を乗り越え、「戦争法を許すな!」と2015年から共同開催となった憲法集会は今年5月3日で10年目。集会は全国各地で開かれ、東京・有明臨海防災公園には3万8千人が集い、「未来は変えられる! 戦争ではなく平和な暮らし!」を訴えた。

   「平和といのちと人権を! 5・3憲法集会実行委員会」が快晴の空の下で開いた憲法集会は、実行委員会を代表して菱山南帆子さんが挨拶し、「分断と対立を乗り越えて、横浜臨海公園で初めての共同開催となった憲法集会が、その後の戦争法と対決する安保闘争の大爆発となった」と切り出した。 

      菱山さんは、幾度もあった憲法改正の危機を乗り越えたのは憲法集会を中心にした市民運動があったからだと総括。しかし、台湾有事を口実にいつでも戦争ができる体制づくりが進められ、沖縄で繰り返される米兵による性暴力事件は、軍事によって社会が覆われる構造的暴力があるからと訴え、「だからこそ武力に頼らない平和が真の人権保障だ」と強調した。 

       大きな拍手で迎えられ、話の節目で「そうだ」と声が上がったのは、昨年のノーベル平和賞に輝いた被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の田中煕巳代表委員(92歳)。 

         田中さんは、受賞はロシアがウクライナに対して戦争を行い、核兵器を使うと脅すなど核戦争の危機が迫っている状況を変えるために被爆者が役割を果たしてもらいたいとの考えがあったのではないかと述べ、「私たちの運動を継いでいってほしい」と訴えた。

武力で平和つくれない
新社会、社民が街宣


        新社会党と社民党は有明臨海防災公園での集会に先立ち、会場そばの国際展示場駅前で共同街宣を行った。 

        新社会党を代表して加藤晋介副委員長は、「国民負担率は47%。血税は国防費に使うのではなく、若い人の未来を拓くために使え」と訴え、参院比例予定候補の、かい正康さんは、「1都9県の空は米軍の軍事空域、それを差配している日米合同委員会を廃止しなければこの構造は変わらない」と強調した。 

        社民党副党首の大椿裕子参院議員、参院東京選挙区予定候補の西みゆかさん、清水雅彦日体大教授らが、それぞれの立場から武力で平和はつくれない、軍拡より生活に予算を使えとスピーチした。