今週の新社会

与党が大敗
   参議院でも過半数割れ

2025/07/30
共同街宣で、右から、かい正康・比例、西みゆか・東京選挙区、ラサール石井・比例の各候補=7月17日、東京蒲田駅で


国民・参政の躍進で

立憲勢力は後退

    
第27回参議院選挙は7月20日投開票され、与党・自公は衆院に続き過半数割れとなった。投票率は58・51%で、選挙区は前回より6・46㌽アップ。新社会党の甲斐正康市民運動委員長は当選できなかったが、社民党は政党要件を確保した。与党を過半数割れに追い込んだのは立憲勢力ではなく、国民民主や参政の躍進による。両党は改憲勢力であり、維新も含め改憲の動きが進む恐れがある。石破茂首相は続投表明したが、新たに連立を組む相手はない。解散総選挙も想定され、立憲勢力は準備が急がれる。


参議院選

政権不安定に   
政局は流動化   
総選挙近いか

 
「戦争と差別は手を携えてやってくる」というが、参院選で戦争準備と軍事費増大は争点にならず、外国人排斥が声高に叫ばれた。 

    物価高に追いつかない賃上げや年金引上げ、非正規労働の常態化が不満を蓄積し、その矛先にありもしない「外国人優遇」という標的を作り出した。 

     金権・裏金政治で国民の不信を買った自民の票は国民や参政に流れ、無党派層の支持も両党に集まった。その結果、両党の比例票は横ばいの立憲民主と並んだ。共産の後退もあり、野党同士の攻防激化も懸念される。 

     自民は初めて両院とも少数与党となり、予算や重要法案を通すためにはその都度野党の協力を必要とする。政権運営は不安定となるが、米国の顔色をうかがい、大企業の新たな儲け口となる戦争準備は止まることはない。 

     対米関税交渉も、米国との関係さえよければという既成観念から抜け出せず、機嫌を損ねない卑屈な態度。平和憲法の国として、ウクライナや中東外交に存在感を示せない。 

     対米交渉の捨て石になるのを拒否したのが沖縄選挙区の高良沙哉さんの当選だ。市長選で連敗していたオール沖縄が、自民、参政を破って高良鉄美さんの議席を継承した。 

      コメ不足に象徴される「自民党ノー政」の抜本的転換や消費税減税、先送りとなっている選択的夫婦別姓や政治とカネ問題に、多党化した国会でどう結論を出すのか。ますます運動と世論形成が不可欠となる。 

      共産党が7議席から3議席に後退した。裏金問題の火付け役となり、自公の悪政を鋭く追及してきた同党の後退は市民と野党の共闘にとって痛手だ。 

      社民党が政党要件を維持し、比例1議席を確保したことについて福島瑞穂党首は「比例候補の誰が欠けてもこの成果は生まれなかった」と述べた。