今週の新社会

高市政権と対峙
新社会党第32回大会

2025/12/10
戦争準備と排外主義に抗し、護憲の共同を強めよう__などのスローガンを確認して閉幕した新社会党第32回定期大会=12月1日、東京都内


平和・生活・人権守る
参院選総括と方針決定 


        新社会党は11月30日~12月1日、東京都内で第32回定期全国大会を開き、先の参院選の総括と高市自民・維新の政権に対峙して闘う方針を決め、新執行部を選出した。大会は4月に予定されていたが、夏の参院選に集中するため委員長選挙と共に延期されていた。来賓として参院選などで共同・共闘してきた社会民主党の服部良一幹事長と、11月17日の党首会談で、「護憲の共同」を確認し合った日本共産党の田村智子委員長から挨拶があった。平和と生活の危機の中、社民・共産・新社会3党党首と沖縄の風の高良沙さ哉ちか幹事長の女性党首・幹事長の初めての合同街宣が12月26日に都内で行われる。

       新社会党は22年、25年と2度の参院選に社民党比例名簿で挑んだ。25年は、昨年4月の大会決定から1年有余、全国で取り組んできたが、個人名の票を獲得する困難な壁を乗り越えることはできず、22年の票を下回る結果に終わった。 

       国政選挙の結果は、組織力の総和である。改めて私たちの選挙闘争への構え、この3年間の組織運動の総括が問われていた。 

       岡﨑宏美委員長は挨拶で、「21年より始まった社民党との選挙協力・共闘は、『憲法を活かし、戦争をさせない』と声をあげる議席を消滅させてはならない」という闘いだが、「私たち自身が、今後に活動をつないでいくために、いつでも活動できる態勢を強化しようと努力する闘いでもあった」とし、「活動の芽をどう育てるか、どう増やしていくか。大会は、その具体的論議と検証の場。組織課題とともに、激変する政治情勢をしっかり受けとめていかなければならない」と述べた。 

       大会には、栃木県本部から「国政選挙を新社会党の旗で闘う」とする修正案が提出された。山﨑秀一書記長は、「新社会党名で闘いたい気持ちは全党で共有されるが、現在の党の主体的力量では現実的ではない」と取り下げを求め、修正案は2日目の採決の結果、少数否決された。 

      2日間の討論では36人から発言があった。各地の参院選の取組み、新しい出会いを共闘の拡大と組織強化につなげるための実践・模索など具体的な報告が続いた一方で、「社民党の政党要件獲得のためだけの選挙でしかなかった」と、2度の参院選の組織戦略を疑問視する意見もあった。中央執行委員会提出の全議案は賛成多数で可決され、大会宣言と2本の決議は拍手で採択された。 


        当面する最大の課題は、「護憲派政党」が退潮傾向を示している中で、立憲民主党が高市政権や右翼野党と真正面から対決する姿勢・方針を打ち出し、立憲共闘を呼び掛ける方向を定めるかどうかであり、立憲野党と市民の共同の再構築だ。 

        平和・生活・人権を守る闘いは正念場であり、護憲共同の一翼を担う新社会党の主体の強化をどう作っていくか、取組みの検証と引き続きの総括議論を来年4月の大会まで続けることを確認した。