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鎌田 慧 連載コラム
「沈思実行」
「満州」の歴史を忘れるな 第268回
2025/12/10
中国との戦争もありうる、というのが、高市早苗首相の国会での答弁だった。
台湾有事は日本有事。つまり対岸の火事ではない、という考え方は、安倍元首相や麻生元首相の妄言だった。もちろん独自に戦争しようというのではなく、米軍の参戦に追随しよう、お付き合いするという「集団的自衛権行使」だが、真っ先に返礼を受けるのは、台湾に近い先島諸島の住民だ。すでに自衛隊が常駐し、ミサイルを大陸にむけて林立させ、防空壕とか避難などが取り沙汰されている。
高市首相は図上作戦に立ち会ったことも、現地も見たことがないまま、野党の質問に「参戦」を決定する「存立危機事態」のケースを、具体的に言ってしまった。新首相の見栄というべきか。中国が戦争を想定した挑発と受け止め、猛然と反応した。台湾は内政問題、米軍の出動に神経を尖らせている中国の緊張感を、首相は感じることがなかった。
今頃になって(11月27 日)、「具体的なことに言及したいとは思わなかった」と野党に質問で攻められて弁明した。が、撤回はしていない。
これまでの日中の長い、悲劇を孕はらんだ歴史を思えば、米軍の戦争に参戦などと気安く言えるわけがない。
この欄で、前回は「満州」引き揚げ当時、小学生だった下山保・元パルシステム理事長の『飢えと子どもドロボー団』(社会評論社)を紹介した。敗戦と同時に、ソ連軍が入ってきて植民地「満州」は、大混乱になった。略奪、虐殺、暴行、シベリアへの拉致。後年、ピースボートの旅行で、「新京」(瀋陽)の公園に寄った時、ここに亡くなった赤子を埋めた、と泣いて語った女性の記憶がある。
しかし、それ以前に、日本軍は侵略ばかりか、軍隊によるさまざまな殺人をおこなった。たとえば731部隊(関東軍防疫給水部)の暴虐ぶりは、次第に明らかになった。ペスト、チフスの細菌戦の研究と散布。生きたままの解剖。信じられないほどの、非人間的な研究が戦争遂行のために実施された。それ一つを考えただけでも、中国と戦争をするなど、考えられないはずだ。
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台湾有事は日本有事。つまり対岸の火事ではない、という考え方は、安倍元首相や麻生元首相の妄言だった。もちろん独自に戦争しようというのではなく、米軍の参戦に追随しよう、お付き合いするという「集団的自衛権行使」だが、真っ先に返礼を受けるのは、台湾に近い先島諸島の住民だ。すでに自衛隊が常駐し、ミサイルを大陸にむけて林立させ、防空壕とか避難などが取り沙汰されている。
高市首相は図上作戦に立ち会ったことも、現地も見たことがないまま、野党の質問に「参戦」を決定する「存立危機事態」のケースを、具体的に言ってしまった。新首相の見栄というべきか。中国が戦争を想定した挑発と受け止め、猛然と反応した。台湾は内政問題、米軍の出動に神経を尖らせている中国の緊張感を、首相は感じることがなかった。
今頃になって(11月27 日)、「具体的なことに言及したいとは思わなかった」と野党に質問で攻められて弁明した。が、撤回はしていない。
これまでの日中の長い、悲劇を孕はらんだ歴史を思えば、米軍の戦争に参戦などと気安く言えるわけがない。
この欄で、前回は「満州」引き揚げ当時、小学生だった下山保・元パルシステム理事長の『飢えと子どもドロボー団』(社会評論社)を紹介した。敗戦と同時に、ソ連軍が入ってきて植民地「満州」は、大混乱になった。略奪、虐殺、暴行、シベリアへの拉致。後年、ピースボートの旅行で、「新京」(瀋陽)の公園に寄った時、ここに亡くなった赤子を埋めた、と泣いて語った女性の記憶がある。
しかし、それ以前に、日本軍は侵略ばかりか、軍隊によるさまざまな殺人をおこなった。たとえば731部隊(関東軍防疫給水部)の暴虐ぶりは、次第に明らかになった。ペスト、チフスの細菌戦の研究と散布。生きたままの解剖。信じられないほどの、非人間的な研究が戦争遂行のために実施された。それ一つを考えただけでも、中国と戦争をするなど、考えられないはずだ。