道しるべ

軍拡反対!消費税減税こそ

2025/12/17
25年度補正予算案

        高市早苗首相は就任後、「強い経済」と「積極財政」を掲げ、総合経済対策と25年度補正予算案を閣議決定。そこには生活、経済、軍事の全てを「安全保障」に結びつける偏狭な国家主義がある。

 消費税減税を素通り 
 
       25年度一般会計補正案は、総合経済対策の一環で、総額18兆3034億円。 

       最大の柱は「生活の安全保障・物価高への対応」で8兆9041億円を計上。来年1~3月の電気代・ガス代補助として5296億円、物価高対応での子ども1人2万円の手当支給で3677億円、食料品高騰での自治体への特別加算4千億円などが並ぶ。 

       しかし、一時しのぎの物価高対策が多く、中・低所得層への支援が足りない。肝心の消費税減税は全く無視された。

防衛費2%を前倒し 

        補正案の防衛費は、種子島沖の馬毛島での自衛隊新基地建設(滑走路や係留施設整備等)に2751億円など、計8472億円を計上。関連費を含めた総額は約1兆1千億円に。

  当初予算の防衛費と関連費は約9兆9千億円で、25年度の当初と補正の総額は約11兆円となる。これにより政府は、防衛費GDP比2%(22年度基準)を2年前倒しで実現する。 

  背景には負担増を求めるトランプ米大統領の圧力、さらに日本側の自前の軍事力増強路線がある。 

  私たちには、軍拡阻止と戦争反対の広範な闘いが必要だ。

危機管理型成長投資 

  補正案の大きな柱が、「危機管理」と「成長投資」を合わせた「強い経済」の実現。AIの研究開発や活用の推進に1895億円、造船業の再生・強化の基金創設に1200億円を拠出など、計6兆4330億円を盛り込んだ。 

  高市政権はAI推進を国家戦略の要と位置づけ、とりわけ次世代半導体生産で「ラピダス」を国策企業として育てる。25年度中にラピダスへの1千億円の出資を決定。さらに26~年度に約1兆円を追加投資する。 

  私たちは「重要経済安保情報保護法」が作られ、重要情報漏えい者へ拘禁・罰金が科されることを忘れてはならない。

金利高と円安が警告 

  補正予算の歳入は新規国債11兆6960億円を追加発行し、財源の6割超を賄う。市場はこれに長期金利上昇と円安で警告。10年長期金利の利回りは2%に迫る。円安は物価上昇を一層促進し、補正案の言う「暮らしの安定」は帳消しに。 

  私たちは、軍拡・安保路線に反対し、消費税減税と生活保障を求め、予算案の大幅修正を求める。