今週の新社会

厚労省は敗訴を認め全員に全額支給せよ

生活保護費最高裁判決

2025/12/24
謝罪と一刻も早い被害回復を求めて厚労省前で抗議=10月26日 

  厚労省は、最高裁が違法とした生活保護費の2013~15年の引下げについて、減額分の支給額を削減する一方、原告とそれ以外の受給者に差をつける方針を打ち出した。憲法の25条(生存権保障)と14条(法の下の平等)を否定するもので、許されない。

〝分断〟許されない 

      最高裁が違法とした引下げは、当時野党だった自民党が生活保護バッシングを煽り、2012年総選挙の公約「10%削減」に基づくもの。政権復帰して保護基準額を平均6・5%引き下げ、200万人を超える利用者が影響を受けた。 

      6月27日の最高裁判決から4カ月以上経った11月7日の衆院予算で高市早苗首相は、「厚生労働大臣の判断の過程、および手続きには過誤欠落があったと指摘されて、違法と判断されたことについては、深く反省し、おわびを申し上げます」と謝罪した。 

       政府の謝罪は当然として、高市首相は自民党総裁としても謝罪すべきだ。首相の謝罪が口先だけの便法でないなら、敗訴を全面的に認めない厚労省の姿勢は許されない。判決後、厚労省は原告を参加させない「専門委員会」で支給額を抑制するための議論を行った。 

       委員会の報告を受けて厚労省は11月21日、違法とされた13年改定のデフレ調整4・78%の代わりに2・49%を再減額し、その差額を支給すると発表した。追加支給額が1世帯20万円なら10万円、半額に減少することになる。 

       発表は更に約700人の原告には特別給付金として、デフレ調整による減額分を全額支払うとする。原告と他の受給者を分断する許されない攻撃であり、憲法が保障する法の下の平等にも違反する。 

   「いのちのとりで裁判」を闘った全国の原告・弁護団は受給者全員に損害を受けた全額を支給するよう求めており、12月9日には衆院第1議員会館で「司法軽視の再減額方針の撤回を求める緊急院内集会」を開き、生活保護利用世帯の人権と尊厳を再び踏みにじる仕打ちは断じて容認できないと糾弾した。