鎌田 慧 連載コラム
「沈思実行」

ジャーナリズムの責任  第278回

2026/03/04
  選挙期間中は「改憲」など、おくびにも出さなかった。あたかもクーデター的な奇襲が成功して、議席を大量に奪ったあと、国会が始めるやいきなり「(改憲を)実現に向けて力強く取り組みを進めていかなければならない」と高市首相、お得意の「力強く」を強調した。

  「少しでも早く改正案を発議して国民投票につながっていく環境を作れるよう、自民党として粘り強く取り組みたい」。安倍元首相も憲法9条改悪までチャンスはなかった。が、今、自民党単独で衆院の3分の2(310議席)を超す、316議席を獲得、調子に乗って一気に改悪に攻め込むつもりだ。連立を組む維新ばかりか、参政党などの改憲派も控えている。 

  しかし、今回の選挙は「改憲」を求めての解散ではなかった。それに参院では野党が強く、3分の2どころか、過半数にさえ達していない。さらに、もし国会が議決したにしても、国民投票で「(日本国憲法96条)過半数の賛成を必要とする」。諦める必要はない。憲法はまだまだ頑張れる。 

  自民党は小選挙区(定数289)で86・2%に及ぶ249議席を獲得した。が、得票率で言えば49・2%だった。全有権者に占める割合では26・9%。3割弱にすぎない。にさえ達していない。さらに、もし国会が議決したにしても、国民投票で「(日本国憲法96条)過半数の賛成を必要とする」。諦める必要はない。憲法はまだまだ頑張れる。 

  自民党は小選挙区(定数289)で86・2%に及ぶ249議席を獲得した。が、得票率で言えば49・2%だった。全有権者に占める割合では26・9%。3割弱にすぎない。

  中道改革連合の岡田克也元外相は、三重3区で連続当選10回、得票率60%を占めるベテランだった。が、今回、落選の憂き目をみた。それについて、東京新聞、「衆院選の『縮図』 反中と高市旋風とデマ」(竹内洋一)の記事が示唆的だ。 

  岡田氏が高市首相の「台湾有事は存立危機事態になる」、日本参戦の危険事態、という高市首相の失言を引き出し、中国を刺激して、経済的
な大打撃を生み出した。ところが高市首相への批判よりも、SNSや動画配信での岡田氏への誹謗中傷が強まり、反中国世論の沸騰の中で岡田氏落選となった。 

  ネット空間のデマだった。この事態は、これからの選挙や国民投票に大きく影響する。ジャーナリズムを中心としての、新聞雑誌の「旧メディア」が、どれだけ、政府批判の影響力を持てるか、これからの大きな課題だ。