道しるべ

富裕層優遇やめ底上げを

2026/03/18
著しい貧富の格差拡大

  物価急騰で実質賃金はマイナス、春闘で大幅賃上げが課題だ。また、労働分配率の長期低下傾向の中で年収1億円超は10年で倍増、格差拡大は著しい。賃上げと貧困対策で底上げが焦眉の課題だ。

  労働者が作った富を配当や内部留保ではなく、労働者に回さなければ、いつまでたっても賃上げは実現しない。 

自社株買いが急増 

 
2015年~24年の10年で、大企業は2倍の純利益をあげ内部留保も2倍にしながら、正社員の実質賃金はマイナス2%となっている。 

  一方、株主配当は2・4倍、自分の会社の株を買って株価をつり上げて株主の利益を増やす自社株買いは3・8倍へと急増している。 

  大企業が利益を過度に還元し始めたのは、小泉純一郎政権が01年に自社株買いを解禁し、第2次安倍晋三政権が15年に大株主に魅力ある企業になるための指針を打ち出したためだ。行き過ぎた株主還元に歯止めをかけるのは政治の責任で、自社株買いの規制が必要だ。

「積極財政」は誤り 

  高市早苗首相は「成長投資」と言って、「アベノミクス」の二番煎じに突き進もうとしている。しかし、大企業ヘの支援で企業が収益をあげても賃金は上がらず、経済が一向に上向かないのは、「失われた30年」の実態をみれば明らかだ。 

  所得や資産の分配における「不平等度」や「格差」を0から1の数値で表す指標としてジニ係数があるが、この30年間ほぼ上昇していて、不平等や格差が広がっている。 

  それを緩和するのが税や社会保障による再分配で、厚労省の最新調査(23年)では再分配によって37・2%改善されているが、改善度は社会保障によるものが・5%、税によるものは5・5%に過ぎず、税による改善度はOECDで最低となっている。 

内部留保に課税を 

  逆進性の強い消費税増税で庶民から吸い上げて税収を増やす一方、法人税引下げや所得税のフラット化、そして金融所得の分離課税で富める者を更に富ます。消費税率を下げ、累進税率を強め、総合課税の実施が課題になっている。 

  当面、賃上げを実現するために、大企業の内部留保の一部に税金をかけて財源を生み出して中小企業の賃上げ支援に回す。そして、それと一体のものとして最低賃金の大幅引き上げを行うべきだ。 

  労働者が生み出した富・利益が大企業や富裕層に集中することを是正すれば、消費税減税や大幅賃上げが実現できる。