今週の新社会

みんなに広げよう
5000人が改めて決意

2024/09/25
デモ行進に出発する「さようなら原発全国集会」の新社会党の参加者=9月16日、東京・代々木公園

さようなら原発全国集会
 

  退陣する岸田文雄首相が置き土産で東京電力柏崎刈羽原発の避難道路整備などを指示し、原発再稼働に躍起となる中、「さようなら原発全国集会」が9月16日、東京・代々木公園で開かれた。集まった5000人は、「原発廃止まであきらめない」「1人でも声をあげよう」「みんなに広げよう」と意気盛んだった。

 「命をつなぐ地球環境を」をテーマに開かれた秋のさようなら原発集会を象徴するかのように、気候危機の〝臨界点〟1・5℃まであと0・3℃。しかし、原発は気候変動対策ではなく、その不公正さは気候正義に反していると、環境団体「フライデイズフォーフューチャー」の大学生が声をあげた。 

 宮城県の女川原発の再稼働に反対し続けている「女川原発の再稼働を許さない!宮城アクション」の多々良哲さんは、11月にも再稼働が強行されようとしているが、沸騰水型の再稼働は初めてで、柏崎刈羽原発再稼働の露払いだと告発した。 

 「これ以上海を汚すな!市民会議」の織田千代さんは、「復興」を口実に、デブリ取り出しとその管理を名目に、処理汚染水を海洋投棄して1年、未来は見えず、漁業者の濃い疲労の色にかまわず、海洋放出は問題ないとの世論が作られていると抗議した。 

 また、自身が9歳の時に被ばくし、「甲状腺こども支援ネットワーク」で、裁判を支援している阿部ゆりかさんは、甲状腺がんが4回も再発している人や、倦怠感で学業や仕事をあきらめた人もいるのに、国は責任を認めないと訴えた。 

 都心に最も近い原発、東海第二原発の運転差止訴訟原告団の相良衛さんは、防潮堤の施工不良の日本原電の対応に強い不信感を表明し、近く始まる対話説明会も1自治体1カ所、限定20人ではアリバイ作りに過ぎないと批判した。 

 ふるさとと関係ない東電の使用済み核燃料で子どもたちの未来が奪われる、なぜ、大都市の経済の犠牲を押し付けるのかと抗議したのは、「核の中間貯蔵施設はいらない!下北の会」の栗橋伸夫さん。 

 「原発反対は社会を変える運動だ」と鎌田慧さんが閉会挨拶で締めくくり、参加者は2方面へのデモ行進に出発した