今週の新社会

均等待遇を
非正規24春闘

2024/02/21
 非正規春闘第一波で経団連への要請行動=2月8日、東京・大手町(左写真)

  ・正規を100として、非正規の賃金格差(右グラフ)


    ストを配置して10%超の賃上げや全国一律最低賃金1500円などを求め、非正規春闘実行委員会は2月8日、東京・大手町の経団連会館前で集会と申入れ行動を行った。しかし、30年を超える「経済停滞」の中でも史上最高益更新を重ねる大企業の牙城・経団連は要請書の受取りすら拒否した。

    非正規春闘実行委員会の経団連要請行動は、員会首都圏青年ユニオンや全国一般東京東部労組など4団体が呼びかけ、生協連や各地のユニオンなど北海道から福岡の20団体が参加した。 

   「経団連は儲けを労働者に返せ、均等待遇を、ストで勝ち取るぞ!」とシュプレヒコールで始まった集会、主催者を代表して総合サポートユニオンの青木耕太郎さんが非正規春闘の開始を宣言、「昨年は36社に要求し、16社で要求を勝ち取った」と報告するとともに、「今年はインフレがひどくなり、生活が厳しい」と訴えた。 

   さらに、「経団連に要求書提出のアポを取ろうとしたが返事もない。私たちが働いているから企業は儲けが出る。非正規労働者がまともに生活できるように、経団連、大企業が率先して非正規労働者の賃上げを行うべき」と語気を強めた。 

   経団連への要請は、①非正規労働者の10%以上の賃上げを政策課題として掲げ、公表すること、②正規・非正規の均等待遇(同一労働価値労働同一賃金)、③全国一律最低賃金1500円の即時実施だったが、警備員が立ちはだかって手渡しできなかった。 

   そのため抗議集会に切り換え、「最低賃金に張り付く賃金では生きているだけ。人間として生きさせろ」など怒りの声が渦巻いた。 

    図に見るように、日本の正規・非正規の賃金格差は大きく、非正規は正規の6割以下だ。さらに各種社会保険の加入やスキルアップのための教育訓練格差がある。企業等の健康保険に加入できなければ、同一収入でも2倍前後も保険料が高い国民健康保険加入、年金制度の違いは老後の生活に大きな影響が出る。低賃金ゆえに国民年金保険料を払えない未納者、免除や納付猶予者は22年度で695万人。加入者数の10・3%を占める。 

   生活がやっとの非正規労働者は、物価が上がれば生活の質を下げざるを得ない。2年連続で実質賃金が低下する中で非正規春闘実行委は、今春闘で飲食店や小売業など38企業と交渉していく。