今週の新社会

ウクライナに平和を!
ロシアの侵攻から2年

2024/03/06
侵略に対する国際社会の圧力を訴える集会とデモ=2月24日、東京・港区の青山公園

     ロシアのウクライナ侵攻から2年の2月24日、東京・港区の青山公園で総がかり行動実行委員会とさようなら原発1000万人アクションの主催で集会とデモが行われた。戦況は膠こう着ちゃく状態にあり、ニューヨークの国連本部で23日に開かれた安保理閣僚級会合も、停戦に持ち込む適切な方針を出せなかった。

東京で集会・デモ

     ウクライナの民間人死者は1万人を超え、米ニューヨーク・タイムズ紙は戦死者をロシア軍約12万、ウクライナ軍約7万と推計。ウクライナの国外避難民は約648万人、国内避難は約370万人と、国民の4分の1が故郷を追われている。 

     ロシアは3月17日の大統領選を控え、攻勢を強めると見られ、追い込まれているのはウクライナ。ゼレンスキー大統領はザルジニー軍総司令官を解任したが、不支持率が4割と広がっている。 

    ロシアの侵攻は国連憲章や国際法に違反し、国連加盟国の大多数はロシアを非難し、1日も早い停戦を求めるが、安保理でロシアが拒否権を行使し、国連は有効な手が打てない。 

    24日の青山集会では、総がかり行動実行委の藤本泰成共同代表が、ウクライナで戦う人たちの声を紹介しながら、「戦争に立派な大義があっても人の命を理不尽に奪っていく」「かつて国のために多くの若者の命が奪われた経験から、命に寄り添う政治と社会を求めて運動してきた。ウクライナの戦火が止むこと、パレスチナに平和が戻ること、日本と世界がいのちから物事を考えることを切望する」と開会挨拶した。 

     同じく共同代表の小田川義和さんは「核兵器の使用をちらつかせ、圧倒的な軍事力を持つ国が他国を侵略し、領土の一部を強奪する。そんな野蛮な行為を国際平和の実現をルールとする国連が是正できない」と大国の行動を批判。「しかし、軍事同盟と軍事強化に走る勢力に屈服しない動きもまた国際社会で強まっている」と、軍事同盟と軍拡に走る自民党政治にレッドカードを出そうと訴えた。 

     さようなら原発1000万人アクションからは原子力資料情報室の松久保肇さんが、ロシアによってチェルノブイリ原発やザポリージャ原発が占拠されたことを踏まえ、戦争で原発を攻撃しないというルールが破られたことに強い危機感を表明した。 

    参加者は集会後、港区内を「平和こそ大切!」とアピールしながらデモ行進した。